
2022/08/20
北海道の8月も末になり、もうすぐ9月になるというのにも関わらず、残暑が非常に厳しい日が続いている。
そんな中で、噴火湾や苫小牧、登別の方ではハモ(穴子)がつれるとの情報があったので、
今回は登別の隣にある冨浦漁港へ向かった。
登別市 (鷲別) 富浦漁港の情報
富浦漁港は
登別市の登別川河口から蘭法華岬西側に位置する小さな漁港。
岬のトンネルの横から防波堤が1本伸びている。JR室蘭本線が海岸線を通っていて、富浦駅が近い。
漁港といっても古い堤防が一本あるだけで今回の滞在中も土日にも関わらずアングラーはあまり多く訪れていない印象だった。
隣の登別漁港の方が釣果は良くて環境が良いのもあって、こちらは密かな知る人ぞ知る釣りスポットになっている。

「北海道で高級魚の鱧(ハモ)を釣りたい」と、なると胆振管内。
登別から白老エリアや太平洋噴火湾の室蘭港、苫小牧エリアと共にハモ(あなご)が狙える場所になる。
……が、北海道はそもそも狙ってちゃんと釣れるほどハモ(アナゴ)が釣れてくれるほどではなく、魚影はかなり薄いので悪しからず。
富浦漁港内の釣りポイントとしては港内側の砂浜や防波堤の先端部から港内側を狙うことになる。
防波堤周りは根掛かりが多いので、かなり遠投できるのであれば外洋に向かってサバなどの青物を狙ってジグを投げるのもいいだろう。
また、秋から冬はチカが回遊し、サビキ釣りで狙えたり、投げ釣りではクロガシラ、マツカワ、アブラコ、ドンコなどの根魚も狙える。
昔だとシーズンになれば鮭も周って来たらしい。
確かに、岬を挟んだ先に登別川があるが、港内で釣れる可能性は薄そうな感じがした。
登別川河口の規制範囲外 (左岸150メートル、右岸300メートル)のほうが釣果に期待はできそうだ。
フィッシングのルールとマナー (漁業管理課) – 水産林務部水産局漁業管理課
しかし、
富浦漁港は時化になると釣りをするのは危険になる。
それは、防波堤自体もかなり傷んでいることや、テトラも滑るのでかなり注意が必要になるからだ。
今回の釣行も前半はほとんど雨に振られていて、堤防から滑り落ちそうになったり、前日からの時化でウネリが激しくて投げ釣りだと根掛かりしてしまい釣りにならなかった。
実際に行く際には、マナーを守って危険には注意して釣りをして欲しい。
富浦漁港までの交通

今回の釣行は電車を使って移動した。
太平洋側の漁港は線路が近くを通っている町も多くあり、探せば意外にも札幌からの直通便もあったりする。
直通便が無くても大抵は苫小牧で乗り換えていけばなんとかなる。
ただ、3時間ほどかかるのは勿論、往復で5千円くらいかかるので頻繁に通うのは難しいのだが。。。
今回、富浦漁港最寄りの「富浦駅」へ行くのには朝の6時発の苫小牧経由東室蘭行きの直通便を使った。
札幌駅を6時頃に発車して、乗換無しで9時頃に富浦駅に到着する。
富浦駅(北海道)(JR室蘭本線 苫小牧方面)の時刻表 – 駅探
直通列車を利用したが、富浦駅は無人駅になるので交通系ICの決済が使えないので注意したい。
じゃあ切符を買おう。となるわけだが
札幌発の券売機だと、「札幌発ー苫小牧着」までの区間料金ボタンしか無いので、どうやって残りの「苫小牧ー富浦」間の料金を含めた切符を買えばいいのかが分からなかった。
後で少し調べてみると、
「札幌ー苫小牧」までの区間料金切符と「苫小牧ー富浦」までの区間料金券の二枚を使えば問題ないらしい。
今回はよく知らなかったので、ポチッと苫小牧までの区間料金切符を握りしめて、富浦駅で車掌さんに不足分を支払って降りた。
しかし、不足分を計算してもらう時に時間がかかるので、やっぱり事前に切符を持っていた方がスムーズだ。

拠点と電車釣行の装備
3時間もずっと座りっぱなしだとお尻が辛い。
背中を伸ばしてから無人駅の待合所で荷物の整理をしていると、電車待ちに来たおばあさんがやってきた。
私はトイレもしたかったので、先程来たおばあさんに
「この辺に、トイレってあったりしますか?」と訪ねたが、耳が遠いのか
「ツギハクジヨンジップンカァ…」なんて呟いてフルシカトされた。

拠点
結局、雨も本降りになりそうだったのでトイレを探すのも諦めて無人駅を後にした。
程なくし、漁港に到着して周囲を散策してみると、
戦時中の船舶を隠しておくために掘った洞窟が堤防の根本にあった。
ここで雨宿りしても良さそうだったが、
洞窟の壁を観察してみると、かなり脆い火山性の地質だったので何時崩れ落ちるかわからないような雰囲気で雨で地盤が緩んだところに崩れでもしたら入り口で生き埋めになる可能性もあることを考えて中断。
結局、砂浜近くの適当な平地を見つけてテントを張って拠点を作り6時間ほどの雨を凌いだ。
こういうときに車がないと辛い部分はある。
時折、雨雲が切れたタイミングで根魚狙いでキャストを試みたりするが、
やはり、海が時化ているのでボトムを探るどころの話ではない。
何とか地形の様子を探ってみたりしたが、投げ釣りの仕掛けは流されて根がかるわ、ワームを投げてもどこを通してきているのかわからないわでロストを頻繁に起こしていた。
仕方がないので大人しくテントに籠もって雨音を聞いていると、夕方頃にようやく天気が回復してきてくれて、家を出てから実に10時間ほど経過したころにようやくまともに釣りができるようになった。
装備

私の場合、電車釣行では、普段の自転車釣行よりも多めに荷物を持っていけるのがメリットになる。
今回は一泊することと、雨天の予報が出ていたので自立式のテント、調理器具一式、水は2Lを持ってきた。
釣具は腰巻きのライフジャケットではなく、ゲームベストを持ってきているので荷物が大きくなる。
堤防での投げ釣りだけであれば、ゲームベストではなく腰巻きのライフジャケットのほうが携帯性に優れていると思うが、今回は蘭法華岬へ向かう磯も行くつもりだった事と、私は恥ずかしながら泳ぐことが出来ないので必須だった。
ロッドに関してはAbuGarciaのクロスフィールド(XRFS-835M-MB)を愛用している。
このロッドであれば、
セミハードケースも付属していて、
全長が251.5cmにも関わらず、仕舞寸法が54cmであり、
ロッドパワーもMで5gから30gまでのルアーウェイトを持ち合わせているので、磯に入ってロックフィッシュを狙うにも最適だと思って使っている。
割りと万能な竿で気に入っている。
餌で投げ釣りをするのであれば、
Amazonで売っている激安のサンライク(SANLIKE)のコンパクト振出ロッドを投げ竿として使っている
竿自体はかなり硬いし、穂先も全くしなやかではないが、コンパクトな仕舞寸法を重視している。
どうせ置き竿をほっぽり出してルアー釣りに勤しみ、合わせも間に合わないので、糸を弛ませて飲ませるかたちで適当に使っている。その分釣果は少ない。
釣り

夕マズメ
17:00になって、ようやく雨が止んだのだが海はまだ荒れていてテトラの側に立っていると飛沫を被る程だった。
投げ釣りも根掛かりしてしまって全く釣りにならず、ほとんど仕掛けを捨ててるようなもんだったので止めた。
しかたなく、堤防の際やテトラ周辺をテキサスリグで根魚を狙ってみたが、反応がないまま時間が過ぎていった。
しばらくすると、タンクトップに鉢巻きをした人が一人で来た。
その人は潮を被りながらテトラの上に乗って外洋に向かってジグサビキを投げていたのだが、数投するとサバが釣れていた。
これはっ!
と思い、私もリグを変えて、持っていたジグを投げてみるものの、
普段は根魚ばかりで全く青物を狙わないため、ジグの動かし方すら分からないまま時合が終了してしまった。
結局そのまま日没になってしまい、今晩のおかずも釣れなかった。
ちなみに夕食は味噌汁と白ご飯というシンプルなものになった。


夜釣り
夕食を済ませた21:00頃に夜釣りを再開する。
投げ釣りも諦めてしまったので餌として持ってきたサバで適当にライトゲームを始める。
ライトゲームには、オルルド釣具の「トラルド」という竿を愛用している。
このロッドの120cmという、とても短いテレスコロッドで硬さはLくらい。
とても、堤防際のメバリングに相性が良くて携帯性も良くて気に入っている。
堤防の外洋側の際沿いに塩サバをつけたダイソーで買った虫ヘッドを流してみると、今回初の釣果となる25cmくらいのアカメバル、通称ガヤが釣れてくれた。
その後も、力強い引きで潜られたり、バラしたりしたが最終的には合計4匹の良い型のメバルを釣り上げることが出来た。
なんだ、ガヤか……と思うかもしれないが、激安ロッドで如何にコスパよく楽しむ事ができるか。
というのが、私の釣りの醍醐味でもある。
今回は明るいうちは全く釣れなかったが、夜には魚を釣って楽しむことが出来てよかった。
一匹は明日の朝ごはん用キープすることにした。

磯場へ
翌朝07:00に起床。
朝ごはんを食べながら準備をしていると、一人のおっちゃんがやってきた。
どうやら、おっちゃんも気に入っている釣場でよく来ているらしい。
隣の登別漁港よりも釣れないが、とても静かで開けているのでロケーションも良い釣り場だと思う。
さてと、
準備を終えて、洞窟から蘭法華岬に向かう。
岩を登ったり降りたりして磯場を渡っていると、一部に割と角が立った新しい落石があるのが気になる。
登別港の東防波堤にある灯台が見れるところまで回ってみたが、ここまで全く当たりも無かった。
潮目も見えていて、ナブラも出ていたりしたがジグが届かない。
根魚のアブラコも狙って手前も探ってみるが反応なし。やはり海水温が高いと沖に出ていってしまったか。。。
ロッドすっぽ抜け事件

と、ここで一つ事件が起こる。
遠投しなければ魚も居ないことがわかってきたので、力いっぱいリグを投げたら
なんと、竿ごと吹っ飛んで行ってしまった。
一瞬、何が起きたのかわからなかったが
AbuGarciaのクロスフィールド(XRFS-835M-MB)は5本継ぎなので、先端から先2本がリグとともに吹っ飛んで、手前の岩にあった。
ラインは高切れしたわけではなくて、
まだリグも着いていたので、少し力を込めて引っ張ればまとめて回収できるのではないかとやってみたが、岩についた貝に針が引っかかっていたらしく、ロッドのパーツはそのまま海に沈んでいった。。。
半ば諦めかけたが、よく見るとロッドパーツは波に合わせて、フワフワと水面からチラチラ見えている。
たかが1万円。されど1万円のロッドだ。
購入してから日も浅いので、やはりなんとかして回収したい。
私は恥ずかしながら泳ぐことが出来ないので、かなり恐怖だったが
手前に根掛かりしていることもあって意を決して岩をぴょんぴょんと飛び移って、冷や汗をかきながら回収することが出来た。
割と手前で根がかってくれた事と近くで見るとちゃんと足がつくくらいの浅瀬だった事が不幸中の幸いだった。
そんな一事件が起こりつつも、結局当たりすら無くて磯場釣行は終了した。

今回の釣行は、なかなか渋い結果となったが、
これでメバリングという釣り、「大きなメバルを釣りたい」と思って興味を持つようになるキッカケとなった。
初日こそ半日雨に振られてしまって、テント内でコーヒーを飲みながらゆったりとした時間を過ごすこととなったが、
翌日のロケーションは最高で北海道の夏を満喫することが出来た。